投資信託の分配金のみで老後の生活ができないだろうかと思っている人もいるのではないでしょうか。
そのためには、必要な分配金が安定して長期間支給されることが必要になります。
しかし、投資信託は投資であるため、価格が変わるなどのリスクがあります。
ここでは、投資信託の分配金で老後の生活をするために、投資信託の分配金とは?投資信託を選択する方法、投資信託で注意すること、についてご紹介します。
■投資信託の分配金とは?
投資信託というのは、運用のプロが投資家の資金で債権や株式などに投資して、投資家に運用した成果を還元するものです。
一般的に、投資信託を買った投資家には、分配金が投資信託の決算日後に支給される可能性があります。
この分配金の原資は、基準価額に含まれている配当、利子のインカムゲインや繰越利益、値上がり益のキャピタルゲインなどがなるので、基準価格は分配金が支給されると下がります。
また、投資信託によって分配方針は違っており、1年決算型という分配金が年に1回支給されるものや毎月決算型という毎月分配金が支給されるもの、無分配型という分配金が支給されないものがあります。
一般的に、1万口あたりの金額が投資信託の基準価額になりますが、1万口あたりの金額が分配金についても表示されています。
そのため、買った投資信託の利回りは、1万口あたりの分配金を1万口あたりの買った平均基準価格で割ればある程度分かります。
■投資信託を選択する方法
投資信託は、次のようなものを選択しましょう。
●分配金で老後の生活するために適した投資信託
投資信託の場合は、投資信託の規則に従って分配できる金額には限度があります。
そのため、分配金額が将来的に約束されたものではなく、運用する企業がいくらでも自由に支給できるものではありません。
このようなことから、できる限り安定して分配するようにしている、毎月分配型の投資信託が適しているでしょう。
毎月分配型の投資信託は、決算を毎月行って、分配金が毎月支給される可能性があるものです。
また、老後の生活をするためには、毎月一定の金額が必要になるでしょう。
そのため、この必要な一定の金額が支給されている投資信託を選択する必要があります。
例えば、4000万円の投資額で、毎月25万円が必要な金額の場合は、毎月の分配金利回りが、25万円を4000万円で割って100を掛けた0.625%以上ある投資信託を選択する必要があります。
なお、ほとんどの分配金利回りは、年間の12回分の分配金のトータル額で出ているため、これに換算すれば、0.625%に12を掛けた7.5%になります。
また、支給される分配金額を計算するためには、4000万円を基準価額で割ると買える口数が分かるため、分配金額をこの口数に掛けると、毎月支給される投資信託の分配金額が分かります。
例えば、基準価格が10000円、分配金額が650円の場合は、4000万円を10000円で割ると買える口数が4000口になるため、650円に4000口を掛けた260000円が毎月支給される投資信託の分配金額になります。
なお、投資信託の分配金額については、証券会社のホームページなどで紹介されているため確認してみましょう。
また、分配金額は将来必ず支給されるものではないので、このような計算は過去に投資信託が支給した実績をベースにしたものです。
なお、将来的にも現在の分配金額が支給されるかを見極める方法としては分配余力があります。
月数でこの分配余力は表示されており、例えば、分配余力が60ヶ月の場合は、60ヶ月間は現在の分配金額が支給されるくらいの分配可能原資があります。
分配余力が多くない場合は、支給される分配金額が少なくなることがあります。
●投資対象が安定している投資信託
投資信託を選択する際は、投資対象が安定していると考えられるものにしましょう。
例えば、不安が新興国にあることが考えられる場合は慎重に新興国投資は考える、不安がアメリカの不動産マーケットにあると言われている場合は米国REITは止めるなど、投資信託を選択する際は世界の情勢を参考にしましょう。
また、プロの投資家が投資信託は運用していますが、投資対象が同じでも運用成績は違っています。
資産を健全に運用するためには、運用成績がいい投資信託を選択しましょう。
運用成績については、証券会社などのホームページで紹介されているため、買いたい投資信託がいいかどうかチェックしておきましょう。
■投資信託で注意すること
投資信託は、次のような注意することがあります。
●リスクがある
投資信託は、値動きがある債券や株式というような金融商品に投資するため、必ずしも投資金が多くなるとは限りません。
例えば、投資信託が高い利子の債券をメインに運用する場合はリターンが大きく期待できますが、発行した会社が倒れて満期のお金の返済や利子の支払いができなくて、損することもあり得ます。
上手くお金を投資で多くするためには、ポートフォリオと分散投資が大事で、投資信託でもこれは同じです。
資金の全てを一つの投資信託に投資しないで、リスク・リターンの異なるいろいろな投資信託を選択して、自分の投資プランと目的に応じていいバランスで組み合わせるのがおすすめです。
●費用がかかる
投資信託の場合は、大きく2つの費用がかかります。
一つの費用は、販売会社に買う際に払う販売手数料で、一般的に買った価格の2%~3%くらいになります。
最近は、販売手数料がかからないノーロード型と言われる投資信託もあります。
もう一つの費用は、投資信託を持っている際に手数料の信託報酬がかかります。
信託報酬は、投資家の資金を運用・管理するために払うものです。
投資信託がハイリスク・ハイリターンの場合は、年率で1.5%くらいかかる場合が多くありますが、これ以外の場合は0.5%以下のものもあります。
このような手数料については、投資信託の種類や販売会社などによっても違っています。
運用益がせっかくあっても、手数料分を除けば損することも場合によってはあります。
投資信託で儲けるためには、このような費用もきちんと考えておきましょう。
●情報を集める必要がある
投資信託の場合は、プロの投資家が運用していますが、自分で全く情報を集める必要がないということではありません。
運用方針がどのようなもので、金融商品はどのようなものに投資するかというような情報を、十分に前もって調査してから買うにようにすることが大切です。
基本的に、チェックすべき一つの情報としては、基準価格があります。
基準価格は投資信託の単価を表示するもので、投資信託を運用している状態がいいかどうかを見極める手がかりになります。
具体的な基準価格としては、投資信託に組み込まれているその時点の債権や株式の時価をトータルして、買った投資家の数で割ったものです。
投資信託の基準価格は、販売会社や運用会社のホームページで紹介されているだけでなく、新聞などでも記載されています。
そのため、実際に投資信託を買う時には必ずチェックしておきましょう。
買った投資信託が、どのようなものに投資して、運用成績がどのようになっているかを継続してチェックするようにしましょう。
基準価格は、定期的に販売会社から届く運用報告書でもチェックすることができます。
そのため、運用報告書は必ずチェックしておきましょう。
なお、運用成績などをベースに、投資信託をランキングしているようなサイトもあるため参考にしましょう。