今さら聞けない投資信託の話、そもそも投資信託って何?

投資信託って最近聞くけれど、いったいどのようなものなのか知りたい。

でも今さら人に聞けないし。

では、投資信託とは何なのか、どのような仕組みになっているのかを解説します。

投資信託って何?

投資信託とは、実は法律によって定められた制度で、官庁の監督を受けている金融商品となります。

「へえ、投資信託って法律で定められているんだ。だから、なじみのない言葉がたくさんでてくるんだね」

この法律は、「投資信託及び投資法人に関する法律」という法律になりますが、この法律によって運用に関することや、各種制度が定められています。

また、この法律は、証券の購入者等の保護も図ることにより、有価証券等に対する投資を容易にして、国民経済の健全な発展に資することを目的とされています。

「法律によって、購入者の保護が図られているんだったら、安心できるね」

さて、投資信託とは、ファンドの一種となるのですが、ファンドとは、多くの投資家から資金を集めて、それを一つの大きな資金としてまとめて資産運用し、その収益を投資家に還元する仕組みのことをいいます。

また、投資信託で投資・運用される資産には、株式や債券などがあり、それを運用のプロである専門家が投資・運用して収益を上げることを目指します。

そして、収益に応じて投資家に分配されるという金融商品となります。

投資信託には、それぞれに運用方針があり、どのような金融商品に投資をして、どのように運用するかは、それぞれの投資信託ごとにプロの専門家が行うことになっています。

このように投資信託は、投資商品となりますので、うまくいけば、お金が増える収益を生むこともありますが、運用がうまくいかずに、元本割れをして、最初に投資した金額より少ない金額になって損をすることもある商品となっています。

投資家は、損をすることを承知の上で、投資信託を購入することになり、もしも損をしたとしても、それは投資家自身の責任になりますので、購入にあたってはその点の注意が必要です。

「投資信託って損をすることもあるんだね。じゃあ、購入にはどの投資信託がいいかの見極めも必要になってくるね」

どのような仕組みになっているの?

投資信託は、法律によって定められた金融商品ですので、その制度や仕組みも法律に定められています。

投資信託の制度には、いくつかの機関が関わってくるのですが、その主なものとして、「投資信託運用会社」「販売会社」「信託銀行」の3つがあり、それぞれ役割が違います。

「投資信託制度って、たくさんの会社が関わって運用されているんだね」

「投資信託運用会社」は、販売される投資信託という商品を作る会社となります。

また、その投資信託の資産を投資・運用するのもこの投資信託運用会社になります。

投資信託運用会社は、金融のプロである専門家がおり、その専門家が投資家から集めた資産に対して、どのような投資を行うのか、どのような運用をして資産を増やすのかを考える会社ですので、投資信託をする上では、一番重要な会社となります。

「投資信託運用会社が投資信託そのものの商品を作っている会社なんだね。だから重要なんだね」

「販売会社」は、主に銀行や郵便局、あるいは証券会社などがなることがあるのですが、投資信託という商品を販売する会社となります。

投資家は、販売会社で、どのような投資信託を購入するのかを考え、実際にお金を支払い購入することになります。

また販売会社も金融商品を扱うプロとして、投資家が購入する際の参考となるアドバイスを行ったり、また質問に答えたりします。

分配金や償還金の受け取りも販売会社で行うことになります。

「販売会社は、投資信託を購入できる窓口なんだね」

「信託銀行」は、投資家から集められた資産を保管および管理する会社となります。

そして投資信託運用会社の指図に従い、金融商品の購入を行います。

たとえば、投資信託運用会社がある株式の購入を指図すれば、信託銀行はその株式を購入し、ある債券の購入を指図すれば、信託銀行はそれに従いその債券の購入をします。

また信託銀行は、資産を保管するにあたっては、自社の財産とは別に保管および管理することが法律により定められていますので、投資家の資産を安全に保管および管理するために信託銀行が投資信託制度に関わってくることになっているのです。

「信託銀行が投資家の資産を安全に管理してくれているんだね」

投資信託は、運用会社が投資信託という商品を作り、その投資信託を販売会社が販売して投資家から資産を集め、それを信託銀行に保管し、運用会社の運用方針による指図に基づいて信託銀行が実際の金融商品を購入し資産を増やそうとする制度になっています。

また、そうして出てきた最終的な分配金や償還金を支払うのは販売会社になるという仕組みなのです。

購入する前に知っておくべきこと

さて、実際に投資信託を購入したいと思ったとき、投資信託は元本割れのリスクもある損を出すかもしれない金融商品となっています。

ですので、実際に購入する前に知っておくべきこともいくつかありますので、そこを解説します。

「投資信託の購入には勉強も必要なんだね」

投資信託には、基準価額というものがあります。

基準価格とは、いってみれば投資信託の値段のことになります。

そして、この基準価格は、投資信託の1口あたりに対する値段となっています。

投資信託は、投資家の資産を集めて運用会社が運用するものになるのですが、その運用次第では、資産が増えたり減ったりします。

その日々変動する値段を1日に1回公表することになっていて、それが基準価格となります。

「投資信託の値段は毎日変わるんだね」

また、基準価格は、時価で評価されることになっていて、株価や債券の価格が変動すれば、基準価格も変動することになっています。

また、投資信託は、1口単位で販売されることになっていますので、基準価格は1口単位の値段を出すことになっています。

運用会社は、日々集められた資産の総額を時価評価し、そこから運用に必要な経費や、信託報酬などを差し引き、その日の口数で割ります。

そうして割り出された値段が基準価格となり、投資信託が購入できる値段となるのです。

また、基準価額は、投資信託の取り引きの申し込みが締め切られた後で公表されることになっています。

これは、公表された後にも投資信託の取り引きができるとすると、すでに投資信託を保有している投資家の利益が阻害される恐れがあるため、このように取り引きの終了後に基準価格が公表されるようになっています。

このような公表方法を「ブラインド方式」といったりします。

ですので、投資信託を購入する投資家は基準価格を分からずに購入することになります。

投資家は、投資信託を購入する場合、口数を指定して購入し、その後、公表された基準価格に基づき金額を支払います。

あるいは金額指定をしておき、その範囲内で購入可能な口数分の投資信託を購入するという方法で注文することもできます。

投資家は、投資信託を購入し、また換金することができるのですが、購入したときの基準価格より換金したときの基準価格が高ければ利益を上げることができるというものになっています。

「基準価額は、新聞やホームページで確認できるみたいだね 」

また、投資信託では、分配金が支払われるものもあります。

投資信託には、決算という制度があり、決算がいつ行われるかは、それぞれの投資信託によって違ってきます。

毎月決算が行われる投資信託もあれば、1年に1回だけ行われる投資信託もあります。

このあたりは、それぞれの投資信託の運用方針によっても変わってきます。

そして、その決算が行われた場合、そこで支払われる金額を分配金といいます。

分配金は、投資運用によって出た収益を保有する口数に応じて投資家に分配する金額となります。

ただし、分配金は、決算の状況や分配方針によって、支払われる場合もあれば支払われない場合もありますので、そのあたりは購入前にきちんと確認しておく必要があります。

「分配金は、状況によって支払われないこともあるんだね。購入前にそういった条件をきちんと調べておくことはとても大事なことなんだね」