はじめに
最近は、資産運用の一環として不動産投資を始める人が増えてきました。しかし、実際に実物資産となる不動産投資をどのようにやれば良いかという情報はあまり出回っていません。
不動産投資は、実物を扱うために売買にはペーパーアセットである株式や債券と異なって慎重に行う必要があります。実際の人と接することも増えるため、あらかじめ不動産投資を始めるために知っておいた方が良いことがあります。
まずは情報収集が肝心
不動産投資を始めるためには、まず情報収集が必要です。始めるための勉強だけでなく、不動産投資をするならば常に勉強する必要があります。なぜならば、不動産投資は、不動産を扱うために不動産に関する法律改正など意識しておかなければいけないことがたくさんあるためです。
不動産投資のうち、仲介業者などに任せる方法もありますが、ある程度の不動産用語などを知らないと、悪徳な業者から高額な費用を請求されたり、トラブルがあったときに対応できないといったことが起こりえます。
不動産投資は、投資といっても不動産賃貸業などの事業を行うことなので、税金の知識や保険の知識なども必要になります。知識がないばかりに利回りがマイナスになったり、全く利益を生み出せない人もいます。
情報収集の方法としては、基本的な知識であれば不動産投資に関する書籍を読むのがおすすめです。時間が経っても変わらない普遍的な内容を体系的に知ることができます。
不動産投資に関しては、イベントやセミナーも数多く開催されていますが、イベント・セミナー開催者の意図が強く反映されることがあるので、最初は書籍など中立的な内容を押さえることを優先するのがオススメです。
自分の状況を把握&自己資金を貯める
また、不動産投資は他の投資と違って初期費用として用意すべき金額が大きいのが特徴です。もちろん、億を超えるような金額を取引することになるので、銀行からの借り入れなどを利用することになります。
しかし、まずは初期費用について自己資金を使うことを検討しましょう。通常のビジネスパーソンであれば、ある程度まとまった金額を借りることができますが、自己資金が多いのに越したことはありません。
自己資金が多いと、その分借入金は少なくて済むのでローン完済を早く済ませることができます。もちろん、自己資金は物件を購入する際にすべて使うわけにはいきません。
不動産投資では、物件価格以外にも税金や購入後のリフォームなどで大きな金額が出ていくことになります。それゆえ、ある程度のまとまった自己資金は手元に持っておかないと、いざ銀行の融資を開始しても返済が滞るなどのトラブルが起きやすいです。
自己資金があるかないかについては、銀行の融資額や融資の際の金利にも関わってくるので、自己資金はある程度用意していた方が安心です。また、物件を購入するときには銀行から融資を受ける人が大半ですが、もし融資の返済が滞ることがあれば、最悪の場合任意整理をしてせっかく購入した物件を手放すことになったり、自己破産などに陥るリスクがあります。
投資にはリスクがつきものですが、そのリスクを軽減してくれるものが自己資本です。良い物件を探すことも重要ですが、何かあったときのために使える現金をしっかり持っておくことも不動産投資にとっては必要と思って資金作りに注力しましょう。
物件購入や契約についてスケジュールを把握しておく
そして、不動産投資は他の投資と違って、物件をいつでも買えるということはありません。自分の条件に見合う不動産を見つけるには時間もかかりますし、良い物件は他の投資家も探しているため、掘り出し物が出てきた時には争奪戦になることがあります。
他の投資に比べて手続きも煩雑なので、物件購入などの前に一通りのスケジュールを頭に入れておくと良いでしょう。
まず、欲しい不動産が見つかったら管理している不動産会社に連絡を入れます。資料請求や物件の下見いわゆる内見を行って、本当に購入したいものかどうかを確認します。実際見てみると、条件との不一致などもあり、多くの場合契約にまで至らないことが多いです。気長に良い物件を見つけるために動くことが必要です。
その後に購入する場合は買い付けのための書類作成や銀行の融資審査などに移ります。銀行への融資の相談は不動産会社を通す方がスムーズです。自分で探す場合は、静岡銀行やオリックス銀行など個人向け不動産事業への投資実績があるところや日本政策金融公庫などがおすすめです。
融資が通ると、ようやっと売買契約へという流れになります。不動産会社を仲介として売主さんと売買契約を結びます。売買契約を締結すると手付金などを支払ったりするので、お金の準備も必要になります。
売買契約と前後しますが、融資が通ると融資に関する手続きも同時進行で起こります。融資の審査が通ってこちらの契約が終わるといよいよ実物の不動産決済へと移ります。あとは月々の融資の返済を行うようになるので、返済計画通りに支払いをしていく形になります。
自分の欲しい物件を探す
ある程度のスケジュールが頭の中に入ったら、自分の欲しい物件を探していくと良いでしょう。新しい物件の探し方ですが、まずは不動産投資の物件を扱っているサイトなどで探す方法があります。もしくは不動産会社を訪れて所有する物件を見せてもらうといった方法もあります。
不動産物件は図面だけを見ていても実際の印象と異なることも多いため、まずは図面を確認し、自分の条件に合うものがあれば、管理会社に連絡し、内見といって物件の内部を見せてもらう段階に入ります。
内見では、室内の状態だけでなく周辺環境なども確認できるので、実際に人が入居できるような物件なのかどうかを総合的に判断できます。もちろん、内見を行った後に購入意思を示すことになります。
ただし、不動産は良い物件であればあるほど早く売れてしまうため、物件を購入できるかどうかは素早く動いて素早く判断することが求められることもあります。不動産会社さんとの連絡も重要で、まめに連絡をするようになったりするので不動産投資には手間や時間がかかります。
物件購入後はメンテナンスや管理に移行
不動産投資は、物件を購入するのがゴールではありません。無事に予定していた物件が購入できたとしても、その後賃貸に回す場合は入居者を探したり、部屋の内装を整える必要があります。
入居者募集や清掃などは業者に任せることもできますが、それなりに経費がかかるのでどこまで自分でやるかを決める必要があります。室内が古くて設備が悪い場合には新しい設備を追加したり、大々的にリフォームを行うこともあります。
物件は家賃収入を得る場合と値段があがった後に売却して利益を得ることもできるので、売却する時のことなども考えておく必要があります。
まとめ
不動産投資は、王道の投資の一つです。今はサラリーマンへの融資なども積極的に行われています。それゆえ、いままで不動産投資に縁がなかった人でも比較的気軽に不動産投資ができるようになりました。
しかしながら、不動産の価格は日々変動しており、入居者が必ず入るとも限らないため、不動産投資は事業としてしっかり計画を立てていく必要があります。不動産投資は始めやすくなっていますが、大家としてやることは多いのも特徴です。管理会社などに外注する境界線を決めておくなどしっかり判断できるように日々勉強する必要もあると心得ておきましょう。