不動産投資は、数ある投資の中でも歴史が古く、国内外を問わずに行われています。伝統的な投資方法であり、廃れずに残っているのは、不動産投資ならではのメリットがあるためです。
他の投資とは異なる不動産投資のメリットをまとめてみました。
家賃などのインカムゲインが大きい
不動産投資には主に物件などを購入した後に、値上がりを狙って転売をするキャピタルゲイン狙いの投資と他人に貸し出して家賃収入を得るインカムゲイン狙いの投資があります。
不動産は、流動性が高いわけではないので、キャピタルゲインの利益を確保するにはある程度売却のタイミングを見つける勉強や売り時を見失わない決断力などが必要になってきます。その点、家賃収入を得るインカムゲイン狙いであれば、入居者がいることで毎月一定の収入を得ることができます。
不動産投資は金額が大きいので、銀行からの融資を得ることもありますが、毎月の家賃収入が入ることでローン返済などに充てることができます。言い換えれば、レバレッジをかけて自分のお金ではなくて借りたお金で利益をあげることができるのが魅力です。
しかも、家賃収入は1ヶ月に一度入ってくる上、まとまった金額なので借金返済以外でもかなりの金額が残ります。次の不動産物件に投資するための軍資金にすることも可能です。こうして雪だるま式に金融資産を増やしていけるのが不動産投資になります。
働かなくても入ってくる不労所得であって、まとまった資金になるので、老後資金や子どもの教育費やマイホームの購入代など人生にかかる大きなお金を用意することも可能です。
最近は比較的少額で投資が開始できる
他の投資に比べて大きな金額を用意する必要がありますが、最近は比較的少額で投資を開始することができます。中には初期費用ゼロ円で始めることができるものもあるほどです。
アパートやマンション一棟に投資するのではなく、ワンルーム投資など一室だけの投資ができるようになっており、頭金として用意する額もサラリーマンであれば貯金で用意できる範囲内で収まる物件もあります。
銀行もメガバンクだけでなく、個人投資家に審査が優しい民間銀行や日本政策金融公庫などの公的機関もあって、低金利でお金が借りられるので自己資金が少なくてもオーナーになれます。
ミドルリスク・ミドルリターンの投資
投資手法は、伝統的なものであればあるほど長く続いているだけあって低リスクだったりします。いわゆる預金や貯金の類がローリスクな金融商品ですが、リスクが少ない分、リターンも低いのが特徴です。
これに対して、株式やFXなどはハイリスクでハイリターンの金融商品として知られています。信用取引などでレバレッジをかけることができますが、一歩間違えば大きな損失を一気に抱えることになってしまいます。
その点、不動産投資は、預貯金と株式・FXなどの金融商品との間にあってミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われています。最近の投資案件では、ソーシャルレンディングや仮想通貨など利回り10%以上を狙えるものもありますが、元本割れの危険がそれだけ高くなります。
不動産も元本割れの危険性は避けられませんが、利回りが年率4～5%ほどなので値動きも投機的な商品に比べてゆるやかです。現物資産でもあるので、必ずしも資産がゼロになる心配がないというのも心強いところです。
また、資産計画がしっかりしていないと融資は通ります。逆をいえば、融資が通るような投資物件は計画通りいけばローンもしっかり完済できますし、計画的に資産を形成できるという意味でもあります。
入居者がいれば、その分毎月安定的に収入があるので、資産形成が計画通りにいきます。生活資金などがおびやかされることがないのが魅力です。
節税対策になるのが魅力
さらに、不動産投資ならば節税効果も高いのが魅力です。最近は年金の一種であるiDeCo（イデコ）やつみたてNISAなど投資信託への投資の際に節税効果がある国の制度が充実していますが、不動産であれば取得費用などもかなりかかるので大幅な所得控除を受けられます。
減価償却なども活用できるのでアパート投資なども長く続けられている投資です。アパート投資が好まれるのはマンションよりも減価償却の期間が短いためです。もちろん、アパートの方が比較的マンションよりも価格が安いため、初心者でも始めやすいのが魅力です。
節税ができるため、高所得者層や相続税対策でアパートを建てる人も増えてきています。ただし、最近では空室リスクも高くなっているので注意が必要です。施工業者の悪質なしつらえなどもあるので、節税対策といっても資金がマイナスになることもあります。しかし、税金を抑えることができるため、多くの人がとってい流相続対策の一つです。
不動産会社などを活用すれば手間いらず
また、不動産投資は不動産を扱う事業でもあります。一人でやるのには限界があり、手間や時間がかかります。手間暇を考えると、リターンが見合わないといった声も聞かれます。
物件は購入するまでに再三内見をしたり、銀行からの融資に出向いたりとサラリーマンなどをやりながらするのはかなり大変です。その上で家賃収入を得ようとするならば、入居者探しから共有部分の管理、居室から起こるさまざまなトラブルへの対処や家賃の回収などがあります。
もちろん、土地や建物を所有することになれば税金の支払いなどがあります。確定申告などのため書類を用意や手続きも必要です。
このあたりは自分が不動産投資にかけられる時間などを考える必要がありますが、最近は管理会社に概ね任せることができます。入居者の募集なども仲介会社が行なってくれたり、共有部分も清掃会社に任せることもできるので、大家さんとしてすることは限りなく少なくすることも可能です。
もちろん、入居者が減ってきた時にリフォームを検討して設備を新しくしたり、一度入居者には出ていってもらって改築をしたりする判断などは投資家が行う部分です。賃貸利用から売却に転じる決定などもそうですし、銀行への融資の都合など手放せない作業はありますが、他人の力やお金を使って手間を減らせるのも不動産投資の特徴です。
人の手を借りる分、費用はかかりますがそれを支払えるほどに不動産から利益が上がることは往々にしてあります。うまく費用を使うことで、ストレスフリーに投資ができるのが魅力です。
まとめ
不動産投資は、サラリーマンが本業を行いつつできる副業として人気になっています。今はサラリーマンに対する融資も積極的に行われているので、仕事をしながら不動産投資をやる方法も確立してきています。
さらに、数ある投資の中でも不動産だけにあるメリットも多く、節税や保険の側面でもお得な要素も多いです。何より、他の投資に比べると大きな資金が必要な分、賃貸収入などの利益が大きいのが特徴です。
不動産は基本的に現物投資となるので、資産がゼロになることはなく、価格は下がってしまうかもしれませんが、売却をして現金化する道もあります。団信に入ることによって、もし自分がなくなった後でも家族に実物資産を残せるという利点もあります。ローンが完済されるので、後に残った人たちがそのまま引き継げる点も魅力です。
しかも今後起こるであろうインフレ対策にもなる点で他の投資よりも優れているといえるでしょう。将来を見据えて不動産投資を始める人は少なくありません。