不動産投資に向いていない人の特徴

不動産投資は、投資の中でも原資金を必要とする投資で長期的な視座で取り組む投資です。それゆえ、株式やFXのような1日や1週間程度で利益を確定する投資とは異なります。

実際に不動産投資は向き不向きがある投資です。向いていない人がやると大きな損失を抱えることになりかねません。他の投資のようにすぐに手を引ければ大損が拡大することもありませんが、不動産は物件の売却などに時間がかかるので、その点では向いているかいないかを始める前に理解していた方が手痛い損をせずに済みます。

資産管理ができない人は要注意

まず、不動産投資は、大きな資金を動かします。それゆえ、大きなお金を動かしても精神的に安定していられるかは不動産投資に向いているか否かに直結しています。

とはいえ、最初から大きな資金を動かせる人はいません。重要なのは、現在の資金をきちんと管理できているかどうかです。もし、現在収支のバランスが悪くて生活が火の車であるというなら、不動産投資はすぐに開始するべきではありません。

そもそも、不動産投資は自己資金だけでどうかするものではありませんが、貯金がない人に銀行は融資してくれません。融資がつかないと物件の購入は難しいので、貯金がないというなら今すぐ収入と支出のバランスを整えることをおすすめします。

自己資金が大きければ、物件を購入するための頭金も多く入れられるので、経済的負担も少なく、融資も小規模となるので比較的通りやすいというメリットもあります。また、不測の事態が起きたときにも自己資金で対応することができるので、余裕をもって不動産投資ができます。

しかし、貯金ができるかどうかはその人の収入が多いからできるというものではありません。人によっては宵越しの金は持たないとばかりに使ってしまう人もいます。

貯蓄できるかどうかはテクニック的なところもありますが、実際にいつまでもできない人もいるので、自分の生活を見直して、不動産投資ができるか否かを検討しましょう。

あと、節約できるかどうかは、家族構成などにもよります。子どもがいたりすると教育費がかかるのですぐに資金を作るのは難しいでしょう。節約でなく副業等を始める、投資信託や株式など不動産より少額からできる投資を始めるなど多角的な方面から資産を作る努力をしましょう。

計画性と柔軟性がないと難しい

また、不動産投資で重要なのは計画性です。不動産投資には、売買益を手にするキャピタルゲイン中心の手法もありますが、現在の主流は賃料を得るインカムゲイン中心の手法です。

長期的な視座でもって結果を得られる投資なので、将来まで見通して計画できる人でないと不動産投資は務まりません。最近は、景気が上向きになっているので物件価格があがってきていますが、銀行からの融資は20年や30年と返済していくものです。

そうすると、現在立地もよく入居者が途切れないような物件でも、やがて入居者が減少したり天災にあったりとトラブルに見舞われるようになります。

今後日本は少子高齢化が進むので、そうした将来の予想をした上で物件を選ばないと今はよくても将来的に融資の返済が滞ったりしてしまいます。何より、不動産投資は「失敗から学べ」という前に最悪の場合、破産してしまう可能性もあります。

それゆえに慎重に始めることと計画的に物事を進められることが不動産投資の基本となります。

しかし、不動産投資の面白さでもあるのですが、どんなに準備をしても不測の事態は起こり得ます。それゆえ、通常の計画通りにいかないことはしばしば起こり得ます。

それゆえ、不測の事態が起きた場合に柔軟に計画を変更できるかどうかも不動産投資の成功を左右します。さらに、最悪の事態を避けるためにも撤退する時もしっかり見極める必要があります。

もちろん、管理会社や不動産会社からは収益をあげるためのアドバイスがありますし、銀行からの返済計画の案内などがあります。その決定も不動産投資を行う投資家自身です。

入居者がつかない時に、営業活動を展開するのか、リフォームをするのかなどもすべて不動産投資家の一存で決まります。トラブルが起きたときにどのように対処するかを迅速に決められる柔軟性もまた不動産投資には必要です。

不動産投資が順調にいっているときは、基本的に計画通りに事を進めることが求められます。不調に陥ったときは窮地を打開するために臨機応変に立ち向かう必要があります。計画性と柔軟性が求められるという意味では難易度が高いのが不動産投資です。

投資=ギャンブルと思っている人は×

そして、投資=ギャンブルと思っている人が少なくありません。不動産投資は事業でもあるので、運の要素がないわけではありませんがいきなり大金が入ってきたりするものではありません。

いわゆる体育会系のノリでなんとかなるものでもありません。一攫千金を狙っているならインカムゲインの不動産投資では難しいので違う方法を探すのがおすすめです。

不動産投資は多くの人とコミュニケーションがとれる能力があった方が良いですが、ただノリだけでは不動産投資はうまくいきません。行動だけで勉強しないといったことでは臨機応変に動けなくなるので失敗する確率が高まります。

そして、インカムゲインの不動産投資となると、出て行くお金も大きくなります。税金なども正しく計算しないと脱税にとわれるのでお金の管理もしっかりできないといけません。

ノリだけでは事業をうまく回すことはできませんし、お金を出すことをしぶっているとのちにジリ貧になっていきます。必要なところはお金を出すことができない人は不動産投資には向いていません。

リスク許容度が低い人も×

何より、総合的に判断して不動産投資はミドル・リスクミドル・リターンの投資と言われています。したがって大きなリターンが期待できる一方、失敗して大きな損失を出すことも可能性として低くありません。

その時に他人のせいにしても失ったお金は戻ってきませんし、投資はすべて自己責任なので誰も責任をとってくれません。収益をあげるにせよ、損失を被るにしても自己責任でできることが必要になってきます。うまくいかないときは撤収などを考えなければならないので、リスクを負っている自覚は常に必要です。

それゆえリスク許容度が低い人は不動産投資には向きません。不動産を購入したり維持するためにはまとまった資金が必要です。不確実な要素が起こりうる可能性を引き受け、リスクに備えられないと問題ばかりが起こります。

まとめ

不動産投資は、現在一般的なサラリーマンでもできる投資になっています。ネットの普及などで物件の流動性も高まっていて、特別なスキルや能力がなくても、不動産投資の勉強はできるようになっています。

それゆえ、始める環境は整っていますが、不動産は投資といっても事業的側面が強いのでスタートする前は慎重になった方が良いでしょう。向き不向きは技術的になんとかなる部分もありますが、性格的な問題もあるので今一度不動産投資をする時は、適性度は意識しておくと良いでしょう。

投資は不動産だけではありませんし、不動産投資を行うにしても土地だけを活用する投資やREIT(=不動産投資信託)なども選択肢としてあります。実物以外にも投資の分散を行う方法もあるので、多角的に考えて不動産投資は開始するようにしましょう。