不動産投資は、サラリーマンでもできる投資の一つになってきました。しかし、他の投資と同様、それぞれの投資には向き不向きがあります。大きなリターンんが期待できる不動産投資ですが、不労所得と言われながらも意外とやることが多い投資です。
それゆえ、明らかに不動産投資に向いている人はいます。自分がどれだけ当てはまっているか、どのようなことに注意すべきかも含めて投資を始める前に知っておくと良いでしょう。
向いている人①コミュニケーションスキルが高い人
まず、不動産投資を行う場合は、さまざまな他者が介在します。不動産を購入するためには、不動産会社の人とのやりとりが絶対に必要です。管理会社に基本的な管理をしてもらうことになるので、何か物件で怒った場合には管理会社からの連絡も入ってきます。
たいていの不動産は単価が大きいのでキャッシュで購入するのは難しいものです。多くの人が銀行での融資を受けますが、そうすると銀行の融資担当者との折衝も起こります。
税金の処理のために税理士さんに書類を作成してもらったり、リフォームを行うならリフォーム会社の人との打ち合わせも行うことになります。投資仲間などと情報交換することもあるので、交友関係も必然的に増えることでしょう。
こういった多くの人とのやりとりを行わなければならないので、コミュニケーションスキルが高い人でないとかなりのストレスを抱えることになります。よく、コミュニケーション能力があまりないので、不動産投資をやって不労所得で生活したいといった希望を持っている人は理想と異なり、コミュニケーションが重なるのを覚悟する必要があります。
しかも、銀行の融資担当者や不動産会社・管理会社との関係は1回や2回で終わるものではありません。人によっては一生涯付き合う相手にもなるので、その関係性を良好にする努力が必要です。
人と会う機会も増えるのでそれが少なくともストレスにならない人の方が向いています。しかも、不動産投資をやる中で人と会う機会が増えるのは、不動産投資があまりうまくいっていない時です。
うまくいっている時は、銀行や不動産会社から連絡がくることはありません。しかし、うまくいかない時はやりとりが増えるので、そうした手間を受け入れられるかが不動産投資の成否を分けます。自分の性格なども考慮して不動産投資は行う必要があります。
関係性をよくするためには、手土産を用意したり、適宜連絡をとったりとマメさが要求されます。なにげない時から声がけをすることで有益な情報が得られたりします。
向いている人②投資を自己責任だと理解し決断できる人
また、不動産に限ったことではありませんが、投資は自己責任であることをしっかり理解していないと大きな損失を抱えてしまう可能性が高まります。不動産投資には不測の事態がつきもので、時には購入の決断やリフォームの時期、売却の時期などの決定などあらゆる決断を投資家本人がしなければなりません。
それゆえ、例えばリフォームを決めた場合は、どのような設備を入れるのかや壁紙の色などまですべて決定する必要があります。施工自体は業者がしてくれるとしても、あらゆる決定権を保有物件には投資家が持つことになります。DIYで多くの点を自分でこなす投資家もいますし、外注してそれ以外の仕事に注力する投資家もします。どれが正解ではなく納得できるかというのも不動産投資では重要な部分です。
しかし、不動産投資については学校で教わっているわけではありません。ごく普通のサラリーマン生活をしていたりすると自分で決断する機会が少ないので最初はあまりうまくいかない人も多いです。
ただ、不動産投資においてはさまざまな決定について迅速にできる人ほど信用がついてきます。銀行や不動産会社の担当者さんの印象も良くなり、良い物件を紹介してもらえたり、融資の融通もきくようになります。
特に、新しい物件の商談などは、返答を渋っていると不動産会社としては利益を得る機会が遅くなるため嫌われます。投資をしたくないならば、すぐに断る方が決断を引き延ばすよりも印象は良いです。何かの決断はどんどん早くするのが不動産投資で成功するための鉄則です。
向いている人③フットワークが軽い人
そして、不動産投資において重要なのはフットワークです。決断力もそうですが、決断をするためには物件の購入~物件の売却などの一連の行動を起こせるかどうかも不動産投資の成否に関わっています。
物件を購入するまでに、物件の条件を確認し、良いと思ったものには内見をしに行くことになります。実際に行ってみると思っていたものと異なり、すぐに成約に結びつくことはありません。
内見も数百件見る人もいるほどです。場所も全国に不動産はあるので交通費もかかります。手間や時間、お金をかけてでも不動産投資をしたいと強く思っていないとできないレベルです。
銀行にも足繁く通わないといけませんし、書類作成も多いです。物件を保有した後には税金の処理なども自分の手で行う必要があります。不動産投資でやらなければいけないことの多くは外注できますが、不動産に関する知識や専門用語を知らないと、損をしたり外注先へのチェックもできません。
実際に作業をするための行動力と不動産投資に関する勉強をする行動力の両方が必要です。常に情報収集をしたり、保有する物件のことを考えることになるので、じぶんの生活の中にそうした余地があるかどうかも慎重に検討する必要があります。
向いている人④リスク許容度が高い人
そしてもっとも重要なこととして、不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。金利上昇リスクやインフレリスク、災害や事故のリスクなど他の投資にはないリスクも多いです。
もちろん、物件購入に際しても良い物件を手に入れられるか、入居者がつくかどうかは運の要素もかなり強いです。そうした不確定要素は物件の魅力を高めるリフォームや営業活動で減らすことはできますが、失敗するかもしれないリスクは投資家自身が持たなければいけません。
これらのリスクを背負う必要があるので、リスク許容度が高い人が不動産投資には向いています。不動産投資はうまくいけば、収益が安定化してくるので、リスクも限定的にできますが、はじめた頃は収益化の軸が小さいので不安定になりがちです。
リスクに対してはもちろんリスクヘッジができるので、不動産投資を少額から開始する、自己資金を確保しつつ行うといった方法をとることも可能です。リスクヘッジという意味では、他の金融資産も同時に保有したり、不動産も複数所有するなどの選択肢もあります。
こうしたリスクへの対策を面倒くさがらずにやることと、大きなリスクを背負う覚悟は必要です。プレッシャーを感じることになりますが、多くの人とつながるからこそ、収益もあがるため、事業としての責任を追えるかどうかが重要です。
まとめ
不動産投資は、大きな資金を動かす一大事業でもあります。それゆえ、向いている人は限定される投資の一つです。もちろん、不動産投資に向いている要素が少なくても、今はあらゆる面で外注できたり、ネットの普及で負担を少なく投資をすることができます。
リスク許容度なども時間や経験が補ってくれますし、不動産投資は事業なので規模や自分のできる範囲も投資家自身が決めることができます。自分の性格や嗜好などを事前に把握しつつ、見合った不動産投資を探ることも成功のためには必要なことといえます。