女性のための生命保険~子供が生まれたら学資保険って必要?~

はじめに

子育て世代が必要になると思われる学資保険について学んでみましょう。

子供を対象にした保険は「学資保険」「終身保険」「医療保険」など子供でも加入出来るものがあります。

そのなかでも多くの親が加入している保険は「学資保険」でしょう。

まず学資保険を簡潔に説明すると、毎月または一括で保険料を払い、将来子供にかかる教育資金に備える保険ということになります。

世間一般では、子供一人が大学を卒業するまでにおよそ1,000万以上かかるといわれています。

幼稚園から大学まで公立の場合でこの金額ですから、中学校から私立へ、または幼稚園から大学まで全て私立だった場合、そして大学が医学部への進学だったりしたら一体いくらかかってしまうのでしょうか。

学資保険は、その将来の負担を軽くするために子育て世代に支持されている保険なのです。

それでは、これから学資保険について説明していきます。

学資保険のしくみ

保険の契約者は18歳以上の父母であれば契約が出来て、受取保険金にもとづいた保険料の支払いがされます。

受取金をもらう時期は、大学入学時に一括で受け取るタイプや大学の入学時と入学後の3年間で均等に受け取るタイプ、又は大学進学前の中学進学・高校進学時にお祝い金の一部として

受け取るタイプなど様々です。

最近は中学からの私立へ進学される家庭も増えてきているので、その家庭にあった受取タイプを選択することが可能になってきました。

学資保険は「貯蓄型」「保障型」の2種類分けられます。

「貯蓄型」の特徴は払込金額の変戻率が高く元本割れしにくく、学資保険の給付金に重点が置かれています。

「保障型」の特徴は払込金額の変戻率が低く元本割れしやすく、学資保険の給付に医療保障や死亡保障がプラス付くものです。

子供が病気やケガをしたときには規定の給付金が支払われるという特長に視点を置いて選らばれる方もいらっしゃいます。

実際お住まいの市区町村によって異なってきますが、乳幼児の医療費無料や中学卒業までも無料が続くような市区町村も増えてきているので、このような場合は医療保障も不要になってしまうので、あえて医療保険を付けない選択もあるのではないでしょうか。

ここで先ほどでてきた元本割れ返戻率についていて触れてみたいと思います。

変戻率とは契約者が支払った保険料の総額に対する受けとる満期金の比率のことです。

たとえば返戻率120%の場合では、払い込んだ保険料だいたい20%ぐらい多く受け取れると考えられます。計算式は受取総額÷払込総額×100となります。

それでは、実際にシュミレーションしてみましょう。

元本割れの学資保険の計算例

契約者35才男性 子ども0才 払込18才総額120万円の場合 (A社の場合)  

保険料       月々5800円
払込総額 Ⓐ    1252800円
受取金額 Ⓑ    120万円
返戻率=Ⓑ÷Ⓐ    95.7%

元本以上の学資保険の計算例

契約者35才男性 子ども0才 払込18才総額120万円の場合 (B社の場合)

保険料       月々5408円
払込総額 Ⓐ    1168128円
受取金額 Ⓑ    120万円
返戻率=Ⓑ÷Ⓐ   102.7%

契約例①

契約者30才男性 子ども0才 払込18才まで基準額資金40万円の場合 

学資金18才から21才までの3年間で毎年40万受取

満期学資金22才で40万受取    合計200万円   20171127日現在)

保険料     月々8,916円
払込総額     192.59万円
受取金額      200万円
返戻率       103.8%

契約例○2

契約者30才男性 子ども0才 払込10才まで基準額資金40万円の場合 

学資金18才から21才までの3年間で毎年40万受取

満期学資金22才で40万受取    合計200万円   20171127日現在)
保険料   月々の15,540円
払込総額約   186.48万円
受取金額     200万円
返戻率      107.2%

上記の結果、払込期間が長いほど毎月の保険料は安くなり、短いほど毎月の保険料は高くなりますが変戻率も上がってきます。しかし家計にとっては短期的に負担増となり、収支のバランスを考えて加入を検討してみるとよいのではないでしょう

学資保険のメリット・デメリット

学資保険のメリット

学資保険の最大のメリットは、将来のこどものための教育資金を準備出来ることです。

そしてその他の貯蓄や資産とは分けることにより明確に目標を見据えながら貯蓄していけます。個人的に積立貯蓄をしていても、つい引き出して旅行の資金や、家計が厳しいときには一時的に拝借したくなることもあるかと思います。しかし、学資保険という名目で貯蓄していれば、子供の将来のためのお金だからこれには手を触れてはいけないと、貯蓄が得意でないご家庭でも半ば強制的に貯蓄していけるでしょう。

そして学資保険は、契約者の親に万が一のことがあったら、保険料の払込が免除になる制度があります。また子どもが亡くなったときは、それまでに払い込んだ保険料程度の死亡保険金が受け取れる場合があります。中には、貯蓄性を少しでも上げるために、あえてこの保障を外せる商品もあります。もちろん、外してもかまいませんが、契約者である親が他に手厚い保険に加入している場合以外は、安易に外さないほうがよいでしょう。

学資保険のデメリット

学資保険のデメリットは、契約時の金利が満期まで続いてしまうので現在のような

低金利時代だと以前のように決して貯蓄性のよい商品ではなくなってきてしまいました。

逆に今後もし金利が上昇しても、金利が高いものに預け替えができません。

また万が一、保険会社が破たんするようなことになってしまったら、保険契約者を

保護する制度はありますが、満期保険金や祝い金や学資金などが減額されてしまう可能性もあります。

そして「貯蓄型」「保障型」のどちらの場合でも保険料の支払いが途中で難しくなり解約してしまったら、今まで払い込んだ保険料の金額よりも少ない金額でしか保険金が戻らず、元本割れになってしまうリスクが発生してしまう場合になることも。

学資保険の貯蓄性が落ち込んでいる昨今では、保険会社によっては、学資保険の代わりにと、満期保険金などが米ドル建てになっている米ドル建て養老保険や米ドル建て終身保険、運用次第で保障額が変わる変額保険など高い利回りを謳い文句に販売しているケースも目立ち始めています。

外貨建て保険の例

米ドル建て養老保険(2017年11月27日現在)

契約者30才男性 払込18年の場合 

保険金額       200000ドル(死亡時及び満期時20000ドル)

保険料      月々85.36ドル
払込総額     18437.76ドル

返戻率       108.4% (20000ドル÷18437.76ドル)

為替手数料     1ドルあたり0.01円の場合

しかし、教育資金は子どもの大学進学に必要な資金です。

使用する時期が明確に決まっているため、必要な時期に必要な金額を受け取れないとなりません。

米ドル建て保険の場合、保険金の受け取り時期に円高・ドル安が進んでいれば、円に換算したときの満期保険金は想定より少なくなってしまいます。

変額保険も運用が失敗してしまうと受け取れる満期保険金は目減りしてしまいます。

人気の学資保険

学資保険無配当」(ソニー生命)

変戻率の高さの定番の商品。

子どもが17才・18才・20才・22才の満期が選べて教育資金が必要な時期に

計画的に準備出来ます。

ニッセイ学資保険(日本生命)

変戻率の高さが注目の商品。

大学入学と入学後の教育資金が準備できます。

学資年金開始17才又は18才に50%資金が支払われるのでこの資金を入学費用にあて

残りは22才まで毎年支払われるので入学後の費用にあてることができます。

つみたて学資(明治安田生命)

この保険も高い変戻率の高さで知られています。

保険料の払込期間を一括・10才・15才までの短期払いのみです。

300万の高額の保険料の場合はさらに割引が適用

まとめ

これから学資保険の加入を検討されているなら、返戻率などを比較して、納得できる貯蓄性かどうかよく確認することです。

返戻率が元本割れしていなくても利率が低いと感じているかたには外貨建て保険なども選択肢の1つですが、リスクが高い商品ですので十分の注意が必要です。

(株)わかさ出版 女性のための後悔しない生命保険選び 一部参照