女性のがん保険

女性特有のがんに保険は必要か

基本から学んで、自分に必要ながん保険を見つけていきましょう。

女性のがんについて

統計資料を使って説明します。

がんは、性別や年齢によって発症しやすい部位があります。

※表1

女性 1位 乳房  2位 大腸  3位 胃   4位 肺   5位 子宮

(20.8%)  (15.8%)  (10.8%) (9.8%)   (6.8%)

男性 1位 胃   2位 肺   3位 大腸  4位 前立腺 5位 肝臓

(17.3%)   (15.3%)  (15.36%) (14.7%)  (5.4%)

※国立がんセンター(がんの統計14)より

この結果より、女性の乳がんにかかる割合が非常に高いことがわかります。

5位にも女性特有の子宮がんが入っています。

国立がんセンターの予測では※2018年にがんにかかる女性は438,700人と推定予想されています。

同センター10年前の2008年に、がんにかかった女性は311,980人でした。

着実にがんにかかる女性が増えているのが分かります。

※国立がんセンター(がんの統計 ’13)(2018年の最新がん予測)参照

がんと診断されてからの5年生存率上位5疾患 女性版

甲状腺     94.9%

皮膚      92.5%

乳房      91.1%

子宮体部    81.1%

咽頭      78.2%

全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター,2016)参照

結果、乳がんの5年生存率は91.1%で第3位となっています。

乳がんはいまや11人に1人がかかる病気といわれていますが、しかし治療続けていけば

完治して以前のような生活に戻れるようになる可能性が高い病気です。

女性向けのがん保険とは

女性向けのがん保険とは、女性特有のがんにかかったときに手厚い保障を受けることのできる保険のことです。しかし補償が上乗せされているため、その分、通常のがん保険より保険料が割高に設定されています。

女性特有のがんの種類には、乳がん・子宮頸がん・卵巣がん・外陰がんなどがあります。

ここで、女性のがんのなかで一番発症率の高い乳がんにかかる治療や費用について

まとめてみました。

乳がんの治療は外科手術をして、がん組織周辺(リンパ)を切除するのが基本になります。
しかし、手術をしたら治療が終わりというわけにはいきません。
がんの大きさや進行具合にもよりますが、大体このような費用が必要となります。

①乳がん検査費

②ホルモン治療など術前の療養法費用

③手術代

④乳房全摘出の場合の再建手術代

⑤手術・治療にかかる入院費用

⑥手術後、再発予防のための抗がん剤や放射線治療、ホルモン治療などの費用

⑦通院交通費

治療費 (入院と手術のみ)

入院7日間(温存手術)  総額約75万(支払3割負担で23万)

入院14日間(乳房切除) 総額約100万(支払3割負担で30万)

放射線治療法

放射線治療法 (温存手術後25回照射の場合) 総額約47万~70万(支払3割負担で14万~21万)

放射線療法

閉経前(アゴニスト製剤・皮下注射1年間)   総額約29万(支払3割負担で8.8万)

(アゴニスト製剤LH-RH・皮下注射1年間)総額約47万(支払3割負担で14万)

閉経前後 (抗エストロゲン・飲み薬1年間服用) 総額約12万(支払3割負担で3.5万)

閉経後  (アロマターゼ・飲み薬1年間服用)  総額約18万(支払3割負担で5.4万)

※一般社団法人 日本乳癌学会のホームページから一部抜粋

乳がんの5年生存率は高い完治率ですが、そのため治療は長期スパンになります。

健康保険の3割負担の場合でも完治まで200万以上かかるケースもあります。

女性向けのがん保険はおおまか2つにわけられます。

①一般のがん保険の特約で女性特有のがんに対する保障を付けているタイプ。

②主契約が女性特有のがんに対する保障となっているタイプ。

どちらも女性特有のがんに対する保障の手厚さが、一般のがん保険との大きな違いになります。

それでは、女性向けのがん保険には、どのような保障が備わっているのでしょうか。         主ながん保険保障(男女共)としては「がん診断給付金」「がん入院給付金」「がん通院給付金」「がん手術給付金」などです。一般のがん保険の保障とあまり変わらないように見えますが、それぞれ女性向けのがん保険ならではの特徴があります。

がん診断給付金
がんと診断されたときに受け取る一時金のことです。

がんにかかった最初の1回のみもらえるタイプと、2回目以降がんにかかっても複数回もらえるタイプがあります。

注意: 複数回もらえるタイプでも、支払条件(回数や治療後何年後からもらえるかなど)についてはよく確認しておく必要があります。

通常、一時金の受取額の目安は100~200万円程度ですが、女性向けがん保険の場合には、女性特有のがんの保障を上乗せして一時金を受け取れたり、女性特有のがんのときのみ一時金が支払われたりといった形になっています。

がん入院給付金
がんの治療を目的として入院したときに、入院日数に応じて1日あたり規定の給付金が支払われます。一般的に、1日あたりの給付金は5,000円~15,000円程度。1回入院あたりの支払い限度日数が決められているもの(例90日~150日までなど)や日数無制限なものもあります。

それに加えて女性向けのがん保険では、女性特有のがんで入院した場合、通常のがん入院給付金に上乗せして、さらに保険金を受け取れるタイプが一般的です。

がん通院給付金
がんの治療を目的として通院したときに、その通院日数に応じて1日あたり所定の給付金が支払われる保障です。多くの場合、1日あたりの給付金は5,000円~15,000円程度。女性向けのがん保険では、女性特有のがんで通院した場合、通常のがん通院給付金に上乗せして、さらに保険金を受け取れるタイプが一般的です。

がん手術給付金
がん治療の手術を受けたときに、所定の給付金が支払われる保障です。女性向けのがん保険の場合には、通常のがん手術で受け取る手術給付金の他に、女性特有のがんを原因とした「乳房再建術」「乳房観血切除術」「子宮全摘出術」「卵巣全摘出術」などを受けた場合に手厚い保障がうけられるようになっています。

女性のがん保険の加入はいつから

女性のがんは20代の半ばから子宮がんや乳がんが増え始め、40代後半から60代半ばかに

ピークを迎えます。

この結果、女性向けのがん保険が20代から70代までの女性にとって必要だということが分かります。最も患者数が多い50代・60代の女性には、女性向けがん保険の特に必要です。

保険は、将来的に起こりうるリスクに対して“あらかじめ備えをするものだと考えるなら、50代・60代で女性特有のがんにかかってから加入を考えるのでは遅すぎます。30代・40代に将来おこりえるリスクに備えをするなら、そのリスクが高まる前に準備が必要です。よって30代・40代から女性向けのがん保険に加入しておくのが安心だと言えるでしょう。

まとめ

女性向けのがん保険を選ぶときには、通常のがん保険と同じように診断給付金と通院給付金が保障内容の基礎になります。がんの治療は女性と男性とでは、基本的に必要な保障はあまり変わりません。

医療技術が発達した今では、がんは治る病気になってきています。

がんの治療は入院治療がメインの時代から、入院日数が減少傾向になってきていて、通院の日数が増えてきています。

通常のがん保険の特約として女性向けのがん保険には付帯しているものやタイプによっては医療保険にも女性特有のがん保障が備わっているものもあります

多くの保険会社では女性用のがん保険又はがん保険の特約として保険が販売されています。

すでにがん保険や医療保険に加入している場合で、新たに女性向けがん保険を検討するなら、現在加入している保険の保障内容をよく調べてみてください。

今まで自分の保険の保障内容をあまり気にしていなくても、実は女性特有のがんに対して十分に保障されていたりする場合もあります。

その現状で新たに女性向けのがん保険に加入したら、保障が重複してしまい「オーバースペック保険」になってしまうかもしれません。保障が手厚いのはよいですが、そのぶん毎月の保険料負担は重くなります。

保険は、自分の必要な保障を適切な保険料で無理せず契約すると経済的にも安心です。