仮想通貨投資で気をつけたいところ

仮想通貨投資は、そもそも仮想通貨ができてから10年あまりなので投資自体も新しい投資になります。それゆえ、投資環境が十分に整っているとはいえません。

日本国内の投資人口も決して多いとはいえず、情報収集も限定的です。従って、仮想通貨投資を行う上では気をつけたいことがいくつかありません。

初心者が何も知らずに投資をはじめてしまうと、大きな損失を抱えやすかったりします。注意点をしっかり押さえてから少しずつ投資を開始したいところですね。

まずは自分のリスク許容度を把握すること

仮想通貨投資は、デジタルに存在する仮想通貨を投資対象とする投資です。あまたある投資と投資対象が異なるだけなので、投資をしているという認識が何よりも重要です。

投資というのは、自分の資金を利益の出そうなものを購入するのに使い、利益を確定させていくものです。それゆえ、常に利益ではなく損失を抱えるかもしれないリスクが存在します。

リスクに対しては、大きな損失を抱えないようにリスクヘッジする必要がありますが、基準となるのは個々人の投資家のリスク許容度です。従って、仮想通貨投資を始める前に自分のリスク許容度を知ることが仮想通貨投資の第一歩といっても過言ではありません。

コメント:リスクとは、簡単にいうと不確定要素のことです。投資においてリスクは不可避なものですが、ある程度変動を抑えることができます。リスクを抑えることをリスクヘッジと言います。

リスク許容度とは、一般の投資同様に価格の変動や世界情勢の影響を受けることなどを受け止められるかどうかのラインのことです。これに加えて、仮想通貨投資では、仮想通貨そのものの消滅や取引所の取引停止などのリスクも存在します。

つまり、仮想通貨投資を行うと資産が目減りしたり、無価値になる危険性があります。この資産の減少などをどこまで許容できるかは個人によってさまざまなので、自分のリスク許容度を知っておく必要があります。

セミナーなどの情報も参考程度に

また、仮想通貨投資は、新しい投資のため情報収集の方法や情報源が限られています。中には一部の人にしか出回っていない新しい仮想通貨の情報も存在するのは確かです。

しかし、セミナーやイベントの中には、投資家を騙そうとする怪しいものも含まれています。ICOと呼ばれる方法で資金を調達するだけ調達する人たちもいます。

コメント:ICO(=イニシャル・コイン・オファリング)とは、仮想通貨を利用した資金調達のことです。仮想通貨取引所に未だ上場していない仮想通貨を一般の投資家が購入することで、運営側は資金を調達できます。投資家は仮想通貨が取引所に上場して値上がりした時点で利益を確定することで恩恵受ける仕組みになっています。

さらにマルチ商法や仮想通貨に関する情報商材などにも注意が必要です。マルチ商法では、自分が他の人に仮想通貨を購入させることでマージンをもらうなど知らないうちに犯罪に手を染めてしまうケースも少なくありません。

今はSNS上で巧みな勧誘が行われていたりします。情報商材などは、「必ず儲かる」とか「高リターンが見込める」といった言葉を用いて高額な資料代を支払わせたりすることがあります。

独学で仮想通貨について学ぶのは手間や時間がかかるので、手っ取り早く稼ぎたい人向けに高額な商品が販売されています。もちろん、高額な商品の中には良心的なものもありますが、価格に見合わない内容のものが多いです。

そうした詐欺めいた商品を購入した場合、クーリングオフなどもできるのですが、詐欺を立証することは大変難しく、泣き寝入りすることも少なくありません。仮想通貨に関しては法整備が十分でなく、消費者にあたる投資家が詐欺にあっても保護されにくい現状にあります。

そうした危険性があることを知った上で仮想通貨投資は取り組むべきものです。

情報商材などについては、買わないことが一番の防御策になります。

口座開設など、一般の人にはできないようなイメージがあるかもしれませんが、仮想通貨取引所で口座開設するのは、通常の証券会社などで口座開設するのと手続きはほぼ同じです。

仮想通貨取引所も現在は金融庁が認めた取引業者しか運営できないようになっています。許可をとっていない仮想通貨取引所は法律に触れるので、絶対に近寄らないようにしましょう。

特に日本国内の仮想通貨取引所では、安全だと認知された少数の仮想通貨を中心に取引ができるようになっているので、怪しい情報などを手にいれる前にきちんと登録が完了している大手仮想通貨取引所からの情報を頼りにすると騙される心配も極力減らすことができます。

必ずしも「稼げる」ものではないことを理解すべき

そして、仮想通貨投資初心者にとって重要なのは、仮想通貨が「必ず稼げる投資」ではないことを自覚することです。メディアは仮想通貨で大成功した人、もしくは大失敗をした人を取り上げる傾向にあります。

それゆえ、仮想通貨投資がイメージの中で勝手にお金が増えるものといったイメージを持っている人も少なくありません。しかし、仮想通貨は日々の価格変動が激しい(=ボラティリティが高い)ので、ただ何も知らずに購入すると、あっという間に資金がなくなる可能性が高いです。価格変動に加え、株式のようにストップ安・ストップ高といった価格の制限がないので、暴落する時は一気に暴落してとどまるところを知りません。

それゆえ、あれよあれよと手をこまねいている間に損失が拡大して投資嫌いになってしまうこともあります。それゆえ、まず仮想通貨は必ず稼げるものではないことを理解すべきです。

しかしながら、仮想通貨は少額から始めることができるのが魅力です。取引手数料も安い取引所が多いので、元手の少ない人でも始めることができます。

また、長期的にみれば発行上限が決まっている仮想通貨は年々安定的に取引されると考えられています。価格上昇の余地は大きいので、少しずつ仮想通貨の保有を増やしていく方法もあります。

現在、仮想通貨は積立投資をすることもできます。少額で買い増していくことで、時間をかけて資産を築くことが可能です。すぐに稼ぐことはできなくても、時間をかけてまとまった金額を作る余地はあります。

もちろん、資産形成の途中で資産がプラスになる時期とマイナスになる時期があります。自分の資産が変動していくことに耐えなければいけません。精神的な余裕が持てる範囲で、投資をするように考えながら投資をする必要があります。

まとめ

仮想通貨投資は、少額から取り組むことができるため若年層を中心に人気の投資方法です。仮想通貨自体も新しいものがどんどん出てきており、人によっては飽きずに取り組める投資にもなっています。

その反面、新しい投資であるために、法律の整備などが遅れており国の規制が厳格化していることでも知られています。

情報弱者をカモにして、詐欺が横行しており、仮想通貨投資は初心者にとってハードルは低いが続けるのが難しい投資にもなっています。重要なのは、仮想通貨投資のメリット・デメリットを理解し、自分の許容範囲内で投資をやることです。

そのために、自分のリスク許容度を知ったりする必要もあります。何より怪しげな情報にひっからないためにも不断の勉強が必要です。自分で正しい情報が選びとれるように、聞いたことのない仮想通貨には近づかないといった自衛策を講じる必要があります。