仮想通貨は、2010年頃から決済に用いられたり、投資対象として売買されてきました。日本でも早い段階から仮想通貨取引所が存在していたことが知られています。
しかし、2014年に大量のビットコインが盗まれたマウントゴックス事件などがあり、しばらく仮想通貨取引は低迷します。2017年に複数の取引所が生まれましたが、2018年に仮想通貨取引所の一つであるコインチェックから大量のネムと呼ばれる仮想通貨が盗まれたことで、ブームが下火になったのは記憶に新しいところです。
最近、再び代表的な仮想通貨であるビットコインが注目されてきています。そこでまずは仮想通貨投資を始めたい人へ、仮想通貨投資の始め方をご紹介したいと思います。
仮想通貨取引所を開設しよう
まず、仮想通貨を購入したい場合は、仮想通貨取引所で取引をすることになります。それゆえ、取引所での口座開設の手続きを行う必要があります。取引所は日本国内のものも海外のものもありますが、取引できる通貨は取引所によって異なります。
ビットコインなどのメジャーな仮想通貨を購入したいなら、やはり日本の取引所がおすすめです。日本の取引所ならば、すべての取引や問い合わせを日本語で行うことができます。
仮想通貨取引所に口座開設というと難しく感じるかもしれません。しかし、ネット証券などで口座開設をしたことがある人なら難しくはありません。
仮想通貨取引所はほとんど既存店舗が存在していないので、パソコン上から専用ページで、もしくはスマホアプリ上でアプリをダウンロードして手続きを進めることになります。
必要になるのは、必要となる個人情報と本人確認書類(スマホで撮影した写真でOKです)のみです。あとはパソコンかスマホで活用して必要事項を入力&本人確認書類を提出するだけです。
必要事項は、氏名や住所など仮想通貨の取引をする上で、重要な書類が届くために必要だったりするものなので入力ミスをしないようにしましょう。間違っていると、口座開設の手続きが済んだ後に届く口座に入るためのパスワードが届かなかったりします。
それ以外には、必須事項ではありませんが資産を入力したりします。資産額は特に口座開設に必須ではありません。資産額が少なくても問題はないので、ひとまず申告できる範囲でしましょう。
必要事項などを入力し終えると本人確認書類の提出に移ります。基本的に運転免許証やパスポートなど本人が分かる写真付きのものが必要になります。住所などが確認に用いられるため、写真をアップロードするのですが、不鮮明だと審査で落とされる可能性があります。
はっきりと全体が写るようにとった写真を両面アップロードします。完了すると取引所の運営側にデータが送信されて審査に入ります。入力したデータと本人確認書類が正しいかどうかがチェックされます。審査には数日かかるので、取引をする予定ならばなるべく早くやっておくと良いでしょう。
審査に無事に通過すると、入力した住所に口座開設完了のお知らせが届きます。お知らせの中に、自分の口座にアクセスするためのIDとパスワードが届きます。これらをログイン画面で入力すれば、自分の取引画面に移行します。
現在のところ仮想通貨取引所で口座開設をするだけでならば管理料などは一切かかりません。口座開設をしたら、自分の口座に必要な資金を入れるだけですぐ取引できるようになっています。
どの仮想通貨を購入するかを決める
無事に口座開設を済ませたら、どの仮想通貨を購入するかを決めましょう。実は現在日本国内の仮想通貨取引所では、世界的に出回る仮想通貨のすべてを購入することはできません。ビットコインやその後に登場してきたメジャーな仮想通貨のみ対応しています。
ネム(NEM)と呼ばれる仮想通貨の流出事件があったコインチェックでも、10種類あまりです。最近Monaコインが取引できるようになりましたが、新しい仮想通貨を取引できるようにするには、かなり時間がかかります。
もし、マイナーな草コインと呼ばれる仮想通貨が欲しい場合、選択肢は主に2つほどあります。一つは日本よりも多くの仮想通貨を取り扱う海外の仮想通貨取引所で取引をすることです。海外の仮想通貨取引所でも、口座開設の手続きはほぼ日本国内の取引所同様ですので、難しくはありません。
ただし、本人確認書類の提出の際に英語で内容を添付する必要があります。手間がかかる上、何かあったときには通知が英語にくるなど英語ができないと難しいと感じる人もいることでしょう。
また、世界中にアンテナを張っていないと情報を得ることができないのでハードルが高いと感じるケースも少なくありません。海外の仮想通貨取引所でも仮想通貨の盗難リスクや取引所の倒産リスクもあるので、慎重に検討したいところです。
また、最近では新興の仮想通貨が、ゲームなどをやることで手に入ることもあります。ゲーム内で利用できるといった条件があったりしますが、手軽に仮想通貨を保有する方法として注目しています。ただ、こちらも海外のサイトが多いので、万が一のときに情報収集などができるか十分に考えて行動することが必要です。
仮想通貨の購入方法
まずは、ビットコイン等のメジャーな仮想通貨を購入したいということなら、日本国内の取引所で十分です。購入方法もいたってシンプルで、FXや株式といった他の投資をしたことがある人なら同様の操作で購入できます。
まず自分の口座ページから、買いたい仮想通貨を選択します。現在値などが表示され、購入したい仮想通貨の枚数や買いたい値段を入力します。そしていつまでその注文を出しておくかなどの指定を行います。
基本的に注文の方式には2種類あり、仮想通貨の価格を指定する指値注文と価格を指定しない成行注文があります。成行注文であれば、そのときの価格で約定(=購入価格が決定)し、仮想通貨を指定した枚数分購入できます。
指値注文であれば、指定した金額になった段階で取引が成立し、指定枚数分の仮想通貨を購入できます。売却する場合も同様です。売却する枚数や金額を指定するだけで簡単に取引することができます。
ただし、仮想通貨の取引には売買手数料がかかります。売却して得た利益については雑所得として税金がかかりますし、換金をする場合には換金手数料もかかります。さまざまな経費がかかることを念頭に置きつつ、取引する必要があります。
まとめ
仮想通貨投資は、まだまだマイナーな投資の一つです。仮想通貨が誕生してから10年あまりですが、取引は安定しておらず、法整備なども十分ではありません。それゆえ、初心者にはおすすめできない部分があります。
しかしながら、仮想通貨の特性をうまく活用すれば、今まで以上に便利な世の中にすることができます。現実世界でリアルな貨幣を作る必要もなくなり、時間や手間を節約することができます。
実際に、仮想通貨の送金スピードは早くなっており、決済にかかる手間は大幅に小さくなっています。仮想通貨のブロックチェーンを使って、不動産取引の契約内容をすべて記録したり、ゲームのデータを残したりと活用の幅もビジネスから娯楽まで幅広いです。
同時に、仮想通貨取引所で盛んに仮想通貨は取引されています。特に日本では盛んに取引されており、取引量の増加が見込まれています。取引自体は容易であるため、法整備など環境が整えば、今後取引をする法人・個人の数も増えていくことでしょう。