国内と海外の不動産投資の違いについて

最近、不動産投資はサラリーマンでもできる投資の一つになっています。不動産投資にはさまざまな種類があり、新築か中古か、ワンルームか1棟投資かなど投資対象によって種類があります。

さらに不動産投資は、エリアによっても違いがあります。国内の物件と海外の物件でかなり違いがあるので、不動産投資を始める前にそれぞれの物件の違いや投資手法の違いを知っておくと良いでしょう。

物件価格は海外の方が安いものがある

実は、訪日外国人も増えている日本は、食事なども気軽に食べられるのですが、こと不動産については東京を中心に高くなっています。それゆえ、不動産投資をする場合も初期費用の面など大きな資金が必要なケースが大きいです。

アメリカなどの北米やヨーロッパなど先進諸国となると日本以上に高い物件も多いですが、アジア圏では日本よりも海外の方が安いところが多いです。特に東南アジアは開発が進んでいる地域が多く、日本人の移住先としても人気の場所が多いです。

それゆえやりようによっては日本よりも初期費用を押さえて投資することができます。経済発展をしている国も多いので、物件や土地の値上がりを期待して投資するキャピタルゲインも得やすいので人気です。

少子高齢化や人口減少の影響を受けにくい

また、日本の物件を購入する際は将来的なことまで考えなければいけません。銀行からの融資は20年や30年かけて返済していくことになりますが、時代の変化が早い現在、20年後30年後を予測するのは難しいといえます。

ひとまず、日本は各国に先駆けて少子高齢化が進むことが予想されます。人口減少も続き、2050年には1億人を割ると言われています。少子高齢化が進めば、どうしても若い人向けの賃貸にするか高齢者向けの賃貸にするかなど戦略をとる必要があります。戸建は売りにくくなることが予想され、人口が減ればやはり賃貸物件自体が売りにくくなります。対策として立地の良い価値の変わらない物件を購入する、付加価値をつけるためにリフォームなどをするといった努力がかなり求められることになります。

その反面、海外投資では東南アジアを含め今後も人口増加が期待されるエリアが豊富です。若い購買意欲のあるファミリー層も多いので、住宅需要も高いです。都市部だけでなく、新たな郊外型の住宅も新築でできている状況なので、日本ほどに将来予想を考えずとも投資しやすい案件が多い状況です。

実は海外投資の節税効果は高い

なお、不動産投資で大きな利益を得たいというなら節税は重要な要素です。不動産は年を経るごとに減価償却が可能ですが、日本は土地の方が建物より高いので、土地よりも建物の方が高い海外の不動産投資より減価償却できる部分が少ないのが特徴です。

とはいえ、長く保有するならば国内の中古物件の方がトータルとして減価償却できる金額が大きくなるのでケースバイケースといえるでしょう。日本は空前の低金利時代を迎えているので、短期的~中期的視座でもって融資を受けるなら国内の物件の方が金利を押さえることができます。

そして、海外の不動産の方が借主の力が強く退去勧告など強く出られる部分があります。日本では大家さんよりも借りた側の権利が強いので、家賃滞納などがあっても強気に出ることができないなどハードルは高いです。

しかも、最近は国内の物件よりも海外の物件への投資に対して融資してくれる銀行が増えています。しっかりとした物件選びができれば、自己資金が少なくても銀行の融資で大型の不動産投資を開始できるのが魅力です。

融資で返済するローンについては損益通算できるので、税制上も有利になります。特にスルガ銀行やオリックス銀行といった銀行から個人向けの融資プランがあるので検討してみても良いでしょう。

しかしながら、海外の物件購入のためのローンは国内の物件購入のためのローンより割高です。金利も高いので返済できるだけの余裕も必要になります。海外の金融機関を利用する手もありますが、こちらも開設できる口座によって融資額の限度などがあるので利用状況を知る必要があります。

また、忘れてしまいがちですが海外の場合は為替状況によっても大きく返済額や費用、収益部分が変わってきます。日々海外の情報をチェックするなど不測の事態に対して対処する必要があります。

やはり海外事情に精通していないと海外不動産は厳しい

一見、海外不動産投資が有利なようですが、海外不動産への投資は日本にいながらやるのはとても難しいです。現在は、複数の仲介会社もありますが、その分手数料も多く取られてしまいます。

国によって住宅に対する考え方などは異なるので、新築信仰のある国で中古物件を扱っても利益は得られにくいです。逆に中古物件をリノベーションして付加価値をつけた方が売れるオーストラリアなどの国もあります。その国に応じた対処が求められる点では、事情がわかっている国内物件の方が扱いやすい面もあるでしょう。

また、内見一つとっても国内であれば、自宅や勤務先の近くなど自分の生活圏内で選ぶことができますが、海外となればそうはいきません。当然情報も少ないので、その中から投資判断をしなければなりません。

内見を1回行うのも不動産仲介会社にアレンジしてもらうとはいえ、1日で数件見るなど体力も必要です。何かトラブルがあった時も現地に駆けつけられないといったデメリットがあります。

本格的に参入しようと思ったら、英語や現地の言葉が話せる方がローカルなお宝物件を見つけられますが、そういった手間を省くために不動産仲介会社を利用するとなると結局割高な案件にもなりがちです。

その点では日本語ですべての手続きができる国内の不動産投資の方がやりやすい側面はありません。業者なども自分の意に沿わなかった場合、別の業者に変えるといったこともしやすいです。

海外不動産の場合は、複数の業者があると言っても気軽に乗り換えたりするのは難しいです。営業担当者との相性などもあるので、自分であらゆることを決めたい人には海外不動産投資は向いていない部分もあります。

安定的なインカムゲインを得たいなら、国内の物件の方が良いでしょう。目の届く範囲で投資家自身があらゆることを決定できるので、自分自身が動きたい人にも向いています。

他方、海外の物件となると経済発展を見越したキャピタルゲイン狙いなどより大きな投機的事業になることもあります。海外の不動産投資ということで、グローバルな視点でできるのは大きな魅力です。安心できる仲介業者と協力して行えると、より大きな収益を見込めます。

まとめ

現在は、日本にいながらにして海外に投資する方法が複数存在しています。不動産投資についても海外の物件を保有するのも難しくなくなってきています。しかし、国内物件は大家自身が管理しやすく、設備投資など自分で決める自由度が高いメリットがあります。

これに対して海外物件は選択肢が狭く、トラブルが起きてもすぐに対処できないといったデメリットがあります。しかし、不動産の物件価格などはアジア圏内で手頃な価格のものが見つかりやすく、日本のように地震の危険がない地域もあるので、災害リスクが少ない物件の所有も可能です。

いずれの投資についてもメリット・デメリットがあるのでそれらを比較した上で、いずれの物件を購入するかなどは検討した方が良いでしょう。